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2016年2月4日(木)
絵描きを専門にやってた頃から、漠然と考えてた事なんだけど。
クリエイターにとって、最も怖い存在って何だろなー……って。
とにかく『賞を取ろう』とか、躍起になってる連中が良くこの術中に嵌まるのだが。
自分を評価する、最も強力な存在が何なのかをお題にして、アンケートを取ってみると。
大概の奴は『編集者』とか『巨匠たち』とか答えやがる。
……違うだろ。
そりゃあ、確かにプロのスカウトマンやら編集者やらも、新人発掘の為に目を光らせてる。
だが、当てずっぽうに探したところで、琵琶湖の真ん中でメダカを探すようなもの。
そんな探し方が効率的か? と問えば、答えは『否』だ。
では、何を目安にして注目作品や有望株の作家を探すのか?
答えは、ショップや書店に行けばすぐ分かる。
そこに最も多く集まるのは、どんな人たちか? 流行りを具現化させ、広めているのは誰か?
それは、一般人。そう、『素人』だよ。
例えば、小説。
これを、プロ目線で『何処を評価されるか』と云う点に着目しながら書けば、確かに優等生の文章は出来上がるだろう。
ある程度の作法を知っていないと、稚拙な文章が出来上がってしまう。それはそれで困る。
しかし、そんなトコにばかり気を遣った、ガチガチの文章を読んで『面白い』と評価されるか?
俺は、それは違うと思う。
これは、飽くまで主観になるが。
素人が読んでも理解できる、誰もが楽しめるモノを書いてこそ成功に繋がるんじゃないかと考える。
少なくとも俺は、一握の巨匠たちから絶賛されるより、多くの大衆から支持される事を喜ぶと思う。
学校の通信簿のような、ガチガチの評価なんか貰ったってモチベは上がらない。
一通のファンレターの方が心弾むし、『やるぞ!』と云う気分にさせてくれる。
逆に、天の上の存在である巨匠たちが、自分の事に気付かなくても『しょうがないよね』で済む。
しかし、一般読者から無視されたら……当然、話題にも上らないし、本を出したところで誰も手に取ってくれない。
コレはモチベ下がるよ、うん。考えてみなよ、ガン無視だよ? だーれも振り向いてくれないんだよ?
と云う訳で、結論。
クリエイターにとって、最も怖い存在。
それは『大衆』であると俺は断言する。